Semperfli® センパーフライ – フライタイングについて

様々な魚たちを釣る為のフライ=毛鉤は、小さなものは5mm未満の昆虫や甲殻類の幼生から、大きいものは20cmを超える魚を真似たものまで様々なサイズに作ることができます。餌となる生物を「ハッチ」や「ベイト」と呼びますが、それぞれのフライにはハッチやベイトの「シルエット」、「生命感」、「浮き沈み」の3つの要素が表現されています。魚の食性に合わせて数あるフライから選んで用意するのが楽しみの一つとなっています。

しかし現場に合わせたフライパターンを多数用意したり、特定の魚を狙う為のフライは販売されていないことも多いので、自作する必要があります。フライを自作することを「フライタイング」と呼び、フライショップにはその為のツール類や「マテリアル」と呼ばれる多様なフライフックや鳥の羽根などが売られています。完成したフライは工芸品の域に達することもあるため、世界中でフライタイングのイベントが開催されています。

フック(画面左)

様々な用途に応じて作られた針。フライの製作には主にフライフックと呼ばれる、浮いた時の姿勢や魚に対する強度などを考慮して作られた菅付針が使われます。沖合のトビウオを真似るためのフライに使われる#4/0という大きいサイズから、真冬の止水でそっとハッチするユスリカに似せるための#32という極小サイズの中から、必要なものを選んで使います。

タイング・マテリアル(画面左)

ただの針/フックを魚を釣るためのフライへと仕上げるために、鳥の羽や獣毛、化学繊維や金属のワイヤーなど、多種多様な素材=マテリアルが使われます。

タイングバイス(画面中央)

大きいサイズから小さいサイズまで、様々なフライフックをしっかりとホールドするためのタイング専用バイス(万力)。

タイングスレッド&ボビン(画面中央下)

針に様々なマテリアルを巻き止めるために必要なタイングスレッド。スレッドに適度なテンションをかけてホールドしておく重要なツールがタイングボビンです。フライパターンや部位に応じて3/0という太いスレッドから18/0という極細のスレッドを使い分けるだけでなく、作業の効率化のためにボビンも様々なものを選んで使います。

タイングツール(画面右)

絶対に必要なスレッドやマテリアルを切るためのハサミから、鳥の羽根を巻き止めるのに便利なハックルプライヤーや、獣毛の毛先を揃えるだけのためにつかわれるヘアスタッカーまで、タイング作業を効率良く進めるためのツールが揃っています。

タイングバイス

大きいサイズから小さいサイズまで、様々なフライフックをしっかりとホールドするためのタイング専用バイス(万力)。
初心者向けを謳う価格の安いものはたくさんありますが、フックのホールド機能が甘かったり、作業効率が悪かったりしては、むしろ初心者の方には使いづらいのが実情です。これに関しては長く使うものなので、初めから良い物を買うのがオススメです。

 

選ぶポイント

  • バイスのベースがペデスタル(台座)式かクランプ式か
  • フックをホールドする「ジョー」の部分が、小さいフックも大きいフックもホールドできるか
  • 手軽に素早く、ぐらつかずにフックをホールド/リリースできるレバー式か
  • 各種アクセサリーを後から付け足して使いやすく拡張できるか
  • ホールドするヘッドそのものを回転させるロータリー機能が付いているかどうか(オプション)

 

これら全てを満たすバイスを製造しているブランドとしては、「ダイナキング」「レンゼッティ」「リーガル」「ピーク」が、性能が申し分ありません。ロータリー機能に関しては、予算が許せば付いているものを選ぶ方が、後からフライパターンが増えていった時に困りません。さらに見た目のクオリティを追求するならば、「レンゼッティ」のバイスもオススメです。特に「ダイナキング」と「レンゼッティ」はユーザーが多いブランドですので、買い替えする時にオークションで売る時も、良い中古価格で出せるということがメリットです。

タイングスレッド&ボビン

針へマテリアルを巻き止めるのに必要なツールなので、ここを妥協してしまうと上達のスピードも落ちれば、快適さや仕上がりの綺麗さが変わってきます。細めのスレッドと太めのスレッドを使い分けることが多いので初めは2つ持っておくことがオススメです。

選ぶポイント

  • 巻いている途中で切れてしまわないスレッドを選んで使うこと
  • 先端がセラミック加工されているものは、全てのスレッドが使えるだけでなくワイヤーにも使える
  • Tiemcoセラミックボビンはロングセラーで大きさも種類があって使いやすくオススメ
  • 慣れてきたらスレッドにテンションがかけられるボビンを使うのも上達の秘訣

タイングツール

スレッド&ボビンと持ち替えながら使うタイングツール。必要な物に絞って紹介します。

シザーズ

スレッドやマテリアルをカットするために必須なハサミのこと。先端がタングステン加工されているものは切れ味が落ちず柔らかいものも硬いものも切りやすいのでオススメ。必要に応じて刃先が長いものと細かい場所を手入れする刃先の短いものの2つあるといい。

フック

フライタイングで主に使われるのは、フライフックと呼ばれる菅付針の一種です。菅付針は、針と釣り糸を結ぶ部分が「輪っか」になっており、手軽に針を交換できるようにできています。フライフックはその名の通り、フライフィッシングに特化して作られており、浮かせるために軽量化された「ファインワイヤー」と呼ばれる細い軸の針から、大物の口で破壊されないように太い軸で作られた「ヘビーワイヤー」まで幅広く揃っており、サイズもユスリカのような極小の虫を再現するための#32という幅4mm程度のものから、沖合の肉食魚に捕食されるイワシなどを再現するための4/0という大きなものまであります。

 

一般的なトラウトが対象のフライフィッシングの場合、#18, #14, #10の3種類があれば良いと思います。

フライフィッシングの主役

魚が捕食している対象に似せて作るフライ。このフライの出来具合が、フライフィッシングで一匹が釣れるかどうかの明暗を大きく分けます。また、そのポイントのコンディションによって、魚が反応するフライの大きさや色が変わってきますので、基本的なフライの製造レシピを「フライパターン」と呼び、アングラーはこのフライパターンを自分のフィールドの状況に適したフックサイズや色に変更することで、より適したフライを作り出すことができます。

知的好奇心を刺激するホビー

「東京都」というくくりだけで見ても、奥多摩の山岳渓流にいる「ヤマメ」が捕食している「フタバコカゲロウ」から、小笠原のサンゴ礁にいる「ロウニンアジ」が捕食している「キビナゴ」まで、魚も違えば、魚がエサとしている生物も違います。タイングには、生物学の知識や観察が不可欠であり、一つずつのパターンを習得したり、新しいパターンを試行錯誤していくことで、学習が深まり、釣りの成功へとつながっていきます。

針から始まるストーリー

すべては「フック=針」から始まります。日本には、Tiemco、がまかつ、オーナー、Varivasなど、世界中のユーザーを唸らせる、優秀なフックメーカーが軒を並べており、サイズも4cmほどの魚でもくわえらえる#32という極小サイズから、沖合のマグロを狙う時に使う4/0サイズという大きなものまで揃っています。毛鉤を浮かせるために、細いワイヤーのような軸で作ってあるもの、むしろ速く沈ませるために太い軸で作ってあるもの、さまざまな針を選ぶところから始まります。

様々な素材<マテリアル>を巻き止めるスレッド

毛鉤は「テール」、「ボディ」、「ソラックス」、「ウィング」、「ヘッド」など、部分によって異なるマテリアルを巻き付けて形を作っていきます。これらのマテリアルを巻き止めるために重要なのが、タイングスレッドです。スプールに巻かれたスレッドをタイングボビンと呼ばれるホルダーにセットして片手に持ちます。反対の手にはハサミを用意しておくことで、余分なスレッドやマテリアルをカットします。

最もベーシックなマテリアル&ツールであるスレッドで妥協すれば、その後の組立ての時間や労力が増えてしまいます。
センパーフライのタイングスレッド、「ナノシルク」や「スパイダー」を活用することでタイングそのものへ集中できるようになります。